2022-03-05
不動産売却をするときに、売主が押さえておきたい知識として「契約不適合責任」があります。
2020年の民法改正の際に、売主が負う責任は、瑕疵担保責任から契約不適合責任に変わりました。
トラブルを防ぎ、安心して売却を進めるためにも、狭山市、入間市、日高市、飯能市、川越市、所沢市で不動産売却をお考えの方はぜひご覧ください。
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契約不適合責任とは、商品の品質、種類、数量が契約内容と違っていた場合、売主が買主に対して負う責任をさします。
言い換えると、売主は契約の内容に適合したものを買主へ渡す義務を持っているといえます。
不動産売却をして、その不動産が契約に合わないものであった場合、買主からは「追完請求」をされる可能性があります。
追完請求とは、買主が補修などを請求できる権利のことで、後ほど詳しく解説します。
不動産売却においての契約不適合責任は、具体的にどんなケースが対象となるのでしょうか。
契約不適合責任のポイントとは、「契約内容」と相違のある不動産を売却したときに問われる責任であるという点です。
不動産の場合は、数量や種類が契約内容と異なるケースは少ないと考えられ、売却の際に気を付けたいのは、おもに経年劣化などによる「品質」の部分でしょう。
たとえば、屋根に損傷があって「雨漏り」のする中古住宅を不動産売却するとします。
このとき、売買契約書に雨漏りについての記載があり、買主も説明を受けて了承していれば、一般的には契約不適合責任が問われる可能性は低いでしょう。
しかし、売買契約書に雨漏りの記載がなければ、追完請求を求められることも考えられます。
そのため、不動産売却をするときには、契約に適合しているか、瑕疵が契約書に記載されているかを確認することが重要です。
不動産売却においての契約不適合責任の対象としては、ほかにも、劣化した水道管からの水漏れや基礎の腐食、シロアリによる侵食などのほか、建物の不具合といった欠陥も含まれます。
契約不適合責任には買主保護の側面があり、契約内容と異なる不動産の引き渡しを受けた買主には5つの権利が認められています。
①追完請求
前述でも触れた追完請求とは、購入した不動産が契約内容に適合しない場合、適合するように求めることができる権利です。
追完請求では、買主が「補修」「代替物の引き渡し」「不足分の引き渡し」を要求することができますが、不動産売却の場合は「水漏れを直してほしい」など補修の対応を求められることが多いでしょう。
②代金減額請求
代金が後から減額される請求が、代金減額請求です。
追完請求で補修されなかった場合やそもそも補修が不可能といったときに、買主が請求できます。
③損害賠償請求
契約不適合責任においての損害賠償請求は、「過失責任」とされています。
過失責任とは、過失や故意でない場合には損害賠償の責任を負わなくて良いというもので、このような場合、買主は損害賠償を請求できません。
④催告解除
売主が追完請求に対応しない場合、買主には催告して契約解除する権利が認められています。
たとえば、代金を減額されたとしてもその不動産には住めないといった場合など、購入を取りやめる催告を買主から売主におこなって、契約をなかったものとして扱える権利です。
⑤無催告解除
契約の目的が達成できないケースでは、催告を必要とせず、契約解除が認められています。
また、契約不適合責任の原因となる帰責理由が買主にある場合、買主はこれら5つの権利を行使することはできません。
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法改正によって契約不適合責任が定められる前は、瑕疵担保責任が用いられていました。
不動産売却をする前に、契約不適合責任と瑕疵担保責任の違いについても確認しておきましょう。
瑕疵とは傷などの意味をさし、瑕疵担保責任では買主が知り得ることができない隠れた瑕疵を責任の対象とします。
引き渡しを受けた時点からではなく、隠れた瑕疵を発見してから1年の間、買主は売主に責任を求めることが可能です。
瑕疵担保責任で責任を問われる基準が「隠れていたかどうか」である点が、契約不適合責任とは大きな違いといえます。
さらに具体的に違いを比較してみます。
法的性質での違いを簡単にいうと、瑕疵担保責任は法律にもとづいた義務であるのに対し、契約不適合責任は不動産売却時の契約にもとづく契約責任です。
また、買主が請求できる権利にも違いがあり、瑕疵担保責任は「契約解除」と「損害賠償請求」だけだったところ、契約不適合責任では前述で紹介した5つの権利に拡充されています。
ただし、損害賠償責任については、契約不適合責任の場合は故意や過失のときのみとする過失責任であるのに対し、瑕疵担保責任は故意や過失ではない場合にも責任を負う無過失責任であるという点も両者で異なります。
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不動産売却をするとき、知っておきたい契約不適合責任の基礎知識を解説しました。
最後に、契約不適合責任の注意点もご紹介します
瑕疵担保責任では、不動産売却時に買主が知っていた不具合であれば、隠れた瑕疵とはせず、売主の責任は問わないとされていました。
しかし、契約不適合責任では、買主が知っていた不具合も責任の対象になる可能性があるということです。
買主が知っていた不具合についてもしっかりと契約書に記載することで、トラブル防止につながります。
契約不適合責任では、買主は不具合を発見して「1年以内」に売主へ通知しなければならないと定められています。
また、責任を追及できる期間には時効があり、買主が請求権があることを知ってから「5年」、もしくは権利行使が可能なときから「10年」経過した時点で買主の権利は消滅します。
しかし、1年以内に通知されていれば時効までの期間は買主に請求権利があるという点に注意してください。
そのため、売買契約に通知期間の定めを盛り込むことも、有効な策となります。
不動産売却をしてから、長期間にわたって不安を抱えることのないよう通知期間の設定をしておくことは重要です。
契約不適合責任を問われないようにするには、契約書に目的物の内容や品質、不具合について明記する必要があります。
売主本人が、売却する不動産の状態をしっかりと把握しておかないと契約書に記載ができないため、注意してください。
そこで、不動産の状態を前もって把握するには、インスペクションが有効です。
専門家による建物現況調査であるインスペクションでは、客観的な調査結果として、損傷や腐食、雨漏りなどの劣化状況を知ることができます。
その内容を契約書はもちろん、物件状況報告書や付帯設備表などにも明記しておくと、トラブルの回避に役立つでしょう。
法令的なルールや契約書に明記すべき事項など、不動産売却に慣れていない方には取り扱いが難しい点があるでしょう。
中古物件の売却などで契約不適合責任について不安な方は、知識や実績が豊富な不動産会社に依頼するのがおすすめです。
弊社でもご相談や売却依頼を受け付けておりますので、安心して不動産売却ができるお手伝いをさせていただきます。
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契約不適合責任では、契約内容と異なるものを引き渡した場合に売主が責任を問われます。
瑕疵担保責任との違いを理解したうえでトラブルを回避するための策を実行し、不動産売却を成功させましょう。
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